マスト細胞活性化症候群(MCAS)
概要
マスト細胞活性化症候群(Mast Cell Activation Syndrome、略称MCAS)は、15万人以上が罹患していると推定され、広義の「マスト細胞疾患」の一分類と位置付けられています。
歴史
かつては「マスト細胞症(mastocytosis)」という単一の疾患とみなされていましたが、現在はマスト細胞の異常活動を以下のようなサブタイプに分けて診断します。
- 全身性マスト細胞症(Systemic Mastocytosis)
- マスト細胞白血病(Mast Cell Leukemia)
- 皮膚型マスト細胞症(Cutaneous Mastocytosis)
- 色素性蕁麻疹(Urticaria Pigmentosa)
主な症状
MCASの症状は多種多様で、他の疾患と類似するため診断が難しいことがあります。代表的な症状は以下の通りです。
- 腹痛、腸の痙攣・膨満感
- 蕁麻疹やその他の皮膚発疹、かゆみ
- アナフィラキシーショック、血圧変動
- 食道炎、胸痛、胃食道逆流
- 骨痛、骨粗鬆症・骨減少症
- 頭痛(片頭痛)、めまい・ふらつき
- 認知障害(ブレインフォグ)
- 下痢・嘔吐・悪心
- 筋肉痛、疲労感
- 肝臓・脾臓などの臓器障害
- 末梢神経障害・しびれ感
- 頻脈・潮紅
診療科・受診のポイント
マスト細胞疾患は比較的稀なため、一般の診療科では経験が少ないことが多いです。血液内科や腫瘍内科の専門医が対応できる可能性が高いため、まずはこれらの科を受診することをおすすめします。
主な誘因
患者ごとに誘因は異なりますが、マスト細胞症協会が指摘する代表的な刺激は以下の通りです。
- アルコール、熱、寒さ
- 摩擦、運動、疲労
- 特定の食品(MSG、着色料・香料)や薬剤
- 抗生物質、麻酔薬、麻薬
- カビ・真菌、ウイルス・細菌感染
- 農薬、保存料、環境毒素
- 香水・室内芳香剤、プラズマ膨張剤(デキストラン)
- 感情的ストレス、精神的緊張、発熱、日光
支援・情報源
MCAS患者は、マスト細胞症協会や米国国立アレルギー感染症研究所(NIAID)などが提供するオンライン情報やサポートグループを活用すると、病気についての理解や精神的支えが得られます。
