血液中のブドウ球菌感染症(菌血症・敗血症)
菌血症(Bacteremia)
ブドウ球菌が血流に侵入すると菌血症が起こります。通常は皮膚の傷や体内の感染症から血液中に入ります。HIV感染、薬物乱用、抗生物質使用、栄養不良、化学療法などがリスクを高めます。膿瘍、褥瘡、汚染された注射針、カテーテルによる尿路感染などが主な原因です。
敗血症(Septicemia)
菌血症が進行し、重篤な全身感染となると敗血症になります。肺、胃、尿路などの感染が血流に入ることで急速に悪化します。抗生物質投与の開始が早いほど予後は良好です。治療が遅れると呼吸窮迫症候群やショックに至ります。
症状
軽度の血液感染では吐き気、嘔吐、下痢、発熱、悪寒、息切れなどが見られます。敗血症になると血圧低下、尿量減少、凝固障害、低体温などの重症症状が現れ、全身状態が悪化します。意識障害や皮下出血も重要なサインです。
診断
血液培養によりブドウ球菌の有無を確認し、菌種と抗菌薬感受性を特定します。診察時には低血圧、発熱、低体温などが血液感染の所見として挙げられます。
治療
菌血症の場合は抗生物質投与や経過観察が行われます。敗血症が疑われる場合は入院が必要で、血圧上昇のための点滴薬と静脈投与の抗生物質が使用されます。多くは集中治療室で管理されます。
予防・対策
感染症が疑われる際は早期に抗菌薬で対応し、衛生管理を徹底します。医療従事者は侵襲的処置時に無菌操作を守り、カテーテルや注射の管理を適切に行うことが重要です。菌血症を早期に治療すれば敗血症への進行を防げます。また、接触した人への予防的抗菌薬投与が検討されることもあります。
