フラビウイルスの生活環と感染メカニズム
フラビウイルス属は、RNAウイルスの一群で、蚊やダニなどの節足動物が媒介するアルボウイルスに分類されます。70種以上が知られ、セントルイス脳炎、黄熱、デング熱、西ナイル熱などのヒト感染症を引き起こします。軽症から致死的な脳炎や出血性疾患まで、症状は多様です。
脊椎動物宿主と節足動物ベクター
フラビウイルスが生活環を完結させるには、哺乳類や鳥類などの脊椎動物宿主と、蚊やダニといった血を吸う節足動物ベクターの両方で増殖できなければなりません。雌蚊だけが血を吸うため、雌蚊がウイルスを伝播します。
ベクターへの感染
ベクターは、ウイルス濃度が十分に高い感染宿主の血液を吸うことでウイルスに感染します。
ウイルスの増殖
ウイルスはベクターの腸内で増殖し、次第に他の臓器へ広がり、最終的に唾液腺に蓄積します。
宿主への伝播
唾液腺にウイルスが到達したベクターは、次の吸血時にウイルスを宿主へ移すことができます。ヒトは通常、ウイルスが十分な濃度に増殖できないため終末宿主となります。ウイルスがベクターに再感染しやすい主な宿主はサル、コウモリ、鳥類、家畜などです。
治療法
ウイルス生活環のいずれかの段階を阻害すれば治療が可能ですが、現在フラビウイルスに対する特効薬はなく、特にウエストナイルウイルスは公衆衛生上の課題です。
