溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)による咽頭炎の原因・診断・治療ガイド
溶血性レンサ球菌(グループA溶血性レンサ球菌)による咽頭炎は、非常に感染力が高く、適切な抗生物質治療が必要です。本稿では、感染経路・主な症状・診断法・治療法を分かりやすく解説します。
原因
感染者がくしゃみや咳をした際に放出される飛沫を吸い込むことで広がります。
食器やドアノブなど、菌が付着した表面に触れた後、口や鼻に触れることでも感染します。
手洗いをしっかり行うことで、感染リスクを大幅に減らすことができます。
一部の人は症状が出なくても菌を保菌しており、他者に感染させることがあります(キャリア)。
主な症状
喉の痛み(嚥下時に特に強く感じる)
扁桃腺の赤み・腫脹、膿や白い斑点が付着することも
首のリンパ節腫脹、頭痛、発熱、発疹などの全身症状
診断の流れ
医師がまず視診・触診で喉やリンパ節の状態、発熱の有無を確認します。
確定診断には、喉からの分泌物を採取して実験室で検査する必要があります。
喉培養(Throat Culture)
滅菌綿棒で喉奥と扁桃腺の表面を拭き取り、培養培地に入れて培養します。
結果が出るまでに最大48時間かかりますが、最も信頼性の高い検査です。
迅速検査
培養に時間がかかるため、医師は迅速抗原検査を併用することがあります。数分で陽性・陰性を判定できますが、偽陰性の可能性があります。
新しいDNAベースの迅速検査は、24時間以内に培養と同等の精度で結果を出せます。
治療法
主にペニシリン系抗生物質(ペニシリン、アモキシシリン)や、ペニシリンアレルギー患者にはマクロライド系(アジスロマイシン、クラリスロマイシン)やリンダマイシンが使用されます。
症状は投薬後1日程度で改善しますが、医師の指示どおり全期間(通常10日間)服用を続けることが重要です。途中で中止すると再燃やリウマチ熱などの合併症のリスクがあります。
解熱・鎮痛のために、イブプロフェンやアセトアミノフェンの併用が推奨されます。
早期の診断と適切な抗生物質治療により、合併症を防ぎ、早期回復が期待できます。
