天然痘ウイルスのライフサイクル

初期感染と潜伏期

天然痘は感染者との直接的な長時間の接触、感染体液や汚染された衣類などを介して広がります。空気感染は稀で、動物や昆虫による伝播は報告されていません。潜伏期間は7〜17日で、この間は症状がなく感染力もありません。

前駆期(プロドローム)

発熱(38.3〜40°C)、頭痛、全身痛、倦怠感、嘔吐を伴い、通常2〜4日続きます。この期間は体調が悪く通常の活動ができず、感染力がある可能性があります。

初期発疹期

この段階は約4日続き、最も感染力が高いです。最初は口内や舌に小さな赤い斑点が現れ、次第に潰瘍となります。24時間以内に顔から体幹、四肢へと皮膚に発疹が広がります。熱が一時的に下がり、体調が改善したように感じることがあります。

3日目に発疹の上に隆起した丘疹が出現し、約24時間後に濁った液体で満たされます。これらの丘疹はへそ状の凹みを示し、病期の特徴的な所見です。熱は再び上昇し、かさぶたが形成されるまで続きます。

膿疱期とかさぶた期

丘疹は次第に丸く硬い膿疱へと変化し、約5日間持続します。その後さらに5日間で膿が漏れ、やがてかさぶたが形成されます。この間も感染力は維持されます。

かさぶたの自然脱落

かさぶたは約6日で自然に剥がれ落ち、皮膚に痕跡(瘢痕)を残します。この時点で感染力は消失します。

治療と予防

現在、天然痘の特効薬はなく、症状緩和が中心です。感染が確認されたら直ちにアウトブレイク対応を開始すべきです。ワクチンは曝露後4日以内に接種すれば予防効果があります。

疾患の形態

主な形態は変異種(variola)大種と小種です。変異種大種は致死率30%、小種は1%未満です。稀に出血性・悪性型があり、ほぼ致死的です。

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