ロタウイルス胃腸炎(ロタウイルス感染症)とは
ロタウイルス胃腸炎(ロタウイルス感染症)は、特に乳幼児に重度の下痢を引き起こすウイルス性疾患です。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、米国だけで毎年約55,000人の子どもが入院し、世界では毎年約60万人の子どもが死亡しています。
症状
主な症状は水様性下痢です。腹痛、嘔吐、発熱を伴うこともあります。潜伏期間は24〜48時間で、症状は通常3〜8日続きます。重症例は主に乳幼児や高齢者に見られ、成人は軽症で済むことが多いです。
感染経路
ロタウイルスは感染した便との直接接触が主な感染経路です。ウイルスは表面に長時間残存するため、汚染された物品や食水を介しても感染します。まれに呼吸分泌物からも検出されています。症状が止まってから48時間は、職場や学校への出席を控えることが推奨されます。
治療
治療は対症療法が中心です。脱水症状の予防・改善が最重要で、重度の嘔吐がある場合は点滴による静脈補液が必要です。また、乳児の尿布が便で刺激され、皮膚が損傷しやすくなるため、適切なケアが求められます。嘔吐を抑える薬剤が使用されることもあります。
予防
手洗いと個人衛生の徹底が基本です。清潔な環境と適切な衛生管理を行い、感染が疑われる場合は迅速に原因を特定し、汚染された場所を除染します。保育園や介護施設など、集団生活の場では感染者と健康者の接触をできるだけ避けることが重要です。
ワクチン接種
1970年代に研究が始まり、1998年に米国食品医薬品局(FDA)で経口生ワクチンが承認されました。生後2、4、6か月の3回接種が推奨され、7か月以降の初回接種は避けるべきです(高熱のリスクが高まります)。3回すべてを1歳未満で、各回間は最低3週間空けて接種します。CDCのデータによれば、ワクチン接種により入院や死亡が約3分の1減少するとされています。
