異常な精子形態は胚の形態に影響しない
健全な受精
正常な精子は頭部と鞭状の尾部の2つの部分から構成され、尾部の運動で女性の生殖管内を泳ぎ、卵子と受精します。受精により単細胞胚(受精卵)が形成され、これが分裂して多細胞胚へと成長します。胚の各細胞が体の主要システムに分化するため、胚の形態は発育にとって極めて重要です。
精子競争
男性が射精すると平均約2億8000万個の精子が放出されますが、そのうち1個(双子の場合は2個)が卵子と結合して受精卵になります。つまり、数億個の精子が卵子へ到達しようと競い合うことになります。さらに、女性生殖管の過酷な環境を生き延びる必要があります。
受精
激しい競争のため、形態が正常で運動性の高い精子が有利です。頭部が二つある、尾部が複数ある、あるいは運動障害を持つ精子は受精の確率が低く、酸性環境に弱く早期に死滅します。
胚の形態
たとえ異常形態の精子が卵子と受精し胚が形成されたとしても、胚の形態異常や出生時の欠損リスクが高まるという証拠はありません。胚の形態異常は主に染色体異常が原因であり、これは精子側でも卵子側でも同等に起こり得ます。
胚の発育
染色体異常に起因して胚が重度の形態異常を示す場合、遺伝情報が不足または細胞死が広がり、胚は正常に発育できません。したがって、早期胚の形態異常は生存可能な人間へと成長しないため、自然に成長が止まります。出生時の欠損は妊娠後期の外傷や軽度の染色体変化が原因であり、初期胚の形態異常が直接の原因ではありません。
