クローン病の標準的な治療法

クローン病は炎症性腸疾患(IBD)の一種で、消化管の粘膜が炎症を起こし、腹痛や下痢、重症例では栄養不良を引き起こすことがあります。腸壁の深部まで炎症が及ぶため、適切な治療を行わないと重篤な合併症を招く恐れがあります。現在完治する治療法はありませんが、薬物療法や手術により長期的な寛解が可能です。

抗炎症薬

クローン病の初期治療として、スルファサラジン、メサラミン、ステロイドなどの抗炎症薬が用いられます。長期使用は推奨されませんが、症状の改善と寛解の誘導に効果があります。通常、3〜4か月間使用します。

免疫抑制剤

免疫抑制剤は炎症の根本原因である免疫反応を直接抑制します。効果が現れるまで数か月かかることがあります。代表的な薬剤はアザチオプリン、インフリキシマブ、アダリムマブです。

抗生物質

抗生物質は腸内の有害菌を減少させ、免疫反応を抑えるとされています。また、瘻孔(ろうこう)や膿瘍の治癒を助けます。メトロニダゾールやシプロフロキサシンがよく使用されます。

その他の治療

症状に応じて、下痢止め、下剤、鎮痛薬、鉄剤(出血がある場合)、ビタミンB12注射、カルシウム・ビタミンDサプリなどが処方されます。栄養指導や生活習慣のアドバイスも行われます。

手術

薬物療法や食事・生活改善で症状がコントロールできない場合、手術が検討されます。損傷した腸管の切除、瘻孔の閉鎖、瘢痕組織の除去、膿瘍の排膿などが行われ、数年にわたる寛解が期待できることもあります。クローン病患者の約4人に1人は手術を受けるとされています。

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