多発性硬化症における顔面症状

多発性硬化症(MS)は中枢神経系の疾患で、症状は人それぞれ異なります。主な症状は四肢の筋力低下、手足のしびれやチクチク感、倦怠感ですが、顔面に現れる症状や視覚障害を訴える患者もいます。

顔面痛(三叉神経痛)

多発性硬化症の患者に見られる顔面痛は三叉神経痛と呼ばれ、非常に激しいことがありますが稀で、数分間だけ続くことが多いです。下顎部に痛みが出やすく、噛む動作や歯磨きがきっかけになることがあります。

顔面麻痺

顔面麻痺もまれな症状ですが、初期症状として現れることがあります。例として、2004年の『Aviation, Space and Environmental Medicine』誌に掲載された米空軍パイロットは、他に症状がない状態で顔面麻痺を起こし、後に多発性硬化症と診断されました。

顔面しびれ(感覚神経障害)

顔面のしびれは三叉感覚神経障害と呼ばれ、患者の2〜3%が最初の症状として経験します(Jose Biller『Practical Neurology』)。

眼症状

視覚に関する症状は比較的頻繁に見られ、視力低下、色覚異常、複視、眼球の不随意運動、両眼の協調不全、瞳孔反応異常、まぶたの痙攣などがあります。

歯科医の役割

2000年にカナダ歯科医師会誌に掲載された研究では、顔面の痛みやしびれを歯科的問題と誤認しがちな患者が、最初に歯科医を受診するケースが多いことが指摘されています。歯科医は多発性硬化症の早期発見に重要な窓口となり得ます。

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