多発性硬化症の診断方法とポイント

多発性硬化症(MS)は、中枢神経系(脳と脊髄)に炎症が起き、髄鞘が失われることで神経伝達が遅くなり、様々な機能障害を引き起こす疾患です。歩行、会話、視覚、記憶、文字入力などが影響を受けます。米国では約35万人が罹患しており、20代から30代に診断されることが多いです。


診断の概要

症状が多様であるため、初期症状が現れてから診断までに数年かかることがあります。診断には詳細な問診と、神経学的・身体的検査が必須です。


電気生理学的検査

神経伝導速度を測定し、信号が正常な速度で伝わっているかを評価します。伝導速度が低下している場合は、髄鞘の損傷が疑われ、MSの重要な指標となります。


磁気共鳴画像法(MRI)

造影剤(ガドリニウム)を使用したMRIは、脳内の病変(プラーク)を高精度で検出します。病変の位置・数・形状を詳細に把握でき、診断の根拠となります。


脳脊髄液検査

脳と脊髄を取り巻く脳脊髄液を採取し、異常なタンパク質や免疫細胞、抗体の有無を調べます。特にオリゴクロナルト帯(OCB)の陽性はMSの診断に有用です。


診断に関する考え方

単一の検査だけでMSの有無を確定することはできません。神経内科医による長期的な観察と、複数の検査結果を総合的に評価する必要があります。症状が全身に散在することが特徴的であり、体のさまざまな部位で症状が出現することを見逃さないことが重要です。

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