リチウム中毒の治療法と管理ポイント
概要
リチウムは双極性障害やうつ病の治療に広く用いられますが、治療域が狭く過剰投与のリスクが高いです。特に腎機能が低下している患者では、リチウムの排泄が腎臓に依存するため、血中濃度の厳格な管理が必要です。
治療手順
中毒症状の観察
軽度は全身倦怠感や軽い混乱、安静時振戦が見られます。中等度では振戦が顕著になり、筋肉のけいれんや嗜眠が現れます。重度になると痙攣、昏睡、循環不全に至ります。
血清リチウム濃度の測定
治療目標血中濃度は0.7〜1.2 mEq/Lです。これを超えると中毒と判断します。通常の投与量は1日300〜2700 mgです。
胃内容物の除去
摂取後1時間以内であれば胃洗浄が有効です。活性炭はリチウムの吸収に効果がなく、他の毒物が同時に摂取された疑いがある場合にのみ使用します。
カイエキサレート(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)の投与
リチウムと結合し排泄を促進しますが、低カリウム血症が起こりやすいため注意が必要です。
リチウムの排泄促進と透析
徐放性製剤の大量摂取時は全腸洗浄が有効です。血清濃度が4 mEq/L以上の場合は血液透析が推奨されますが、症状が不安定な場合は2.5 mEq/Lでも透析を検討します。患者の意識状態を基に透析の必要性を判断します。
