ダイアモックスと肺気腫の危険性

薬と病状の相互作用により、既存の疾患が悪化することがあります。特に重度の肺疾患(肺気腫)を持つ患者が、ダイアモックス(アセタゾラミド)を服用すると、危険な酸性血症を引き起こす可能性があります。

肺気腫

肺気腫のイメージ
喫煙は肺気腫の主な原因です。

肺気腫は主に喫煙が原因で起こる慢性肺疾患です。肺の細気肺胞(アルベオリ)が損傷し、酸素と二酸化炭素のガス交換が阻害されます。その結果、二酸化炭素が血中に蓄積し、息切れや倦怠感、咳、喘鳴などの症状が現れます。

ダイアモックス(アセタゾラミド)

ダイアモックスは、緑内障、心不全によるむくみ、特定のてんかん、山岳病(高度症)などの治療に用いられる薬です。主な作用は、血中の二酸化炭素を重炭酸塩(HCO₃⁻)に変換する酵素を阻害することです。

二酸化炭素と血中酸性化

二酸化炭素は代謝の廃棄物で、通常は肺で呼気として排出されるか、腎臓で重炭酸塩に変換されて尿中に排泄されます。ダイアモックスはこの変換を阻害し、血中二酸化炭素濃度が上昇します。健康な人なら呼吸を速めて余分なCO₂を排出できますが、肺気腫患者のように肺機能が低下していると、二酸化炭素が体内に蓄積し、酸性血症(アシドーシス)を引き起こします。

アシドーシスの症状

酸性血症になると、呼吸が速く深くなる(クスマウル呼吸)が典型的ですが、肺機能が制限されている患者はこの反応が出にくいです。そのため、吐き気、嘔吐、頭痛、意識混濁、眠気などが現れ、放置すると昏睡や致死に至ります。

注意点と予防策

慢性疾患を持つ患者が自分の病状に合わない薬を服用すると、重篤な副作用が起こります。肺気腫などの慢性疾患がある場合は、必ず医師の指示のもとで薬を使用し、全ての医師と薬剤師に現在服用中の薬と病歴を正確に伝えることが重要です。

処方薬 - 関連記事