壊死性筋膜炎(ネクロチック・ファシチス)の概要と対策

重要性

米国疾病予防管理センター(CDC)によると、毎年500〜1,000件の壊死性筋膜炎が報告され、死亡率は25%〜50%と非常に高く、感染から1週間以内に死亡することもあります。

歴史

最初の記述は1840年代にさかのぼります。南北戦争時の軍医ジョセフ・ジョーンズは2,600例を記録し、1952年にB.ウィルソンが「壊死性筋膜炎」という名称を提唱しました。著名な患者にはケベック州元首相ルシアン・ブシャールや、テンプテーションズのメルビン・フランクリンがいます。

原因

主にA群連鎖球菌などの細菌が皮膚の切り傷や擦過傷から体内に侵入し、筋膜(皮膚と筋肉の間の結合組織)を破壊します。細菌は毒素を放出し組織壊死を引き起こし、皮膚は壊疽状態になります。特定のリスク群はなく、どなたでも罹患する可能性があります。

症状

初期症状は創部の治癒遅延や組織の水腫、発赤(紅斑)です。激しい疼痛と組織の破裂感(クレピタシオン)もみられます。数日経つと発赤が広がり、無痛の皮膚潰瘍へと進行し、重症化すると敗血症や毒素ショックを引き起こします。

治療

早期診断が生存率を左右します。診断後は速やかに入院し、複数の静脈内抗生物質を投与します。創部からの培養で細菌種を特定し、必要に応じて集中治療室で管理します。高圧酸素療法が補助的に用いられることもありますが、抗生物質だけでは完治が難しく、壊死組織の切除(切断)が必要になることが多いです。

予後

壊死性筋膜炎は四肢切断や死亡に至ることがあります。多剤耐性菌が関与すると死亡率はさらに上昇し、最高で25%以上になることもあります。やはり早期診断と迅速な外科的処置が生存率向上の鍵です。

予防

適切な衛生管理が最も重要です。手術や注射器具の不適切な取り扱いは感染リスクを高めます。外科手術後の創部管理や、薬物使用時の清潔な器具使用が予防に繋がります。感染自体は通常直接感染しませんが、感染源に触れることで罹患リスクは増大します。

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