ポリオウイルスの構造と感染メカニズム
ゲノム
ポリオウイルスの遺伝情報は一本鎖RNA(リボ核酸)に収められています。DNAではなくRNAを遺伝物質とするウイルスは多く、ポリオウイルスはこのRNAが宿主細胞のリボソームに直接結合し、タンパク質合成を操ります。
カプシド
カプシドはタンパク質で構成された外殻で、RNAを保護しながら細胞内へ運搬します。表面には神経細胞を認識する受容体が配置されており、標的の運動ニューロンに結合しやすくなっています。
受容体
ポリオウイルスはカプシド上のタンパク質受容体を介して、特定の運動ニューロンの表面にある細胞受容体を感知します。多くの体細胞にも同様の受容体は存在しますが、ウイルスが選択的に神経細胞に侵入するメカニズムは完全には解明されていません。免疫系が産生する抗体はこれらの受容体に結合し、ウイルスの侵入を阻止します。
感染プロセス
ウイルスが標的細胞に結合すると、カプシドが開きRNAが細胞質へ放出されます。ポリオウイルスは核へは入らず、細胞質にあるリボソームに直接アクセスし、宿主のタンパク質合成機構を乗っ取ります。結果として、リボソームはウイルスRNAとカプシドタンパク質を合成し、宿主細胞のタンパク質は減少します。
組み立てと放出
細胞質で新たに合成されたRNAとカプシドタンパク質が集合し、完全なウイルス粒子(ビリオン)を形成します。その後、細胞は溶解(リシス)し、完成したウイルスが放出されて他の細胞へと感染を拡大します。
