バクテリオファージ λ(ラムダ)

  1. 構造

    バクテリオファージ λ(ラムダ)は、エシェリヒア・コリ(大腸菌)のみを感染させる、エンベロープを持たない小型ウイルスです。約48 kb の一本鎖二本鎖DNA(二本鎖DNA)を収めた、正二十面体形状のタンパク質カプシドから構成されます。カプシドは8種類の構造タンパク質で形成され、収縮性尾部から伸びる尾ファイバーが細菌表面に付着します。

  2. 尾部と付着

    尾ファイバーは大腸菌外膜のリポ多糖(LPS)受容体を認識し結合します。結合後、収縮性尾部がDNAを細胞質へ注入します。この際、カプシドはDNAを保護し、次の宿主細胞へ安全に移動できるようにします。

  3. 感染と組み込み

    DNAが注入されると、λゲノムは細胞内で環状化し、分解から守られます。環状DNAは複製のテンプレートとなり、ウイルスはリシック経路(細胞溶解)とリシンギック経路(プロファージとして宿主染色体に組み込み)を選択できます。

  4. 複製(シータ複製)

    リシックサイクルが選択された場合、λDNAはシータ複製と呼ばれる双方向複製を行い、ゲノムの多数コピーを生成します。コピーが細胞内に蓄積すると、細胞は維持できなくなり、最終的に溶解して新しいファージが放出されます。

  5. 細胞死・休眠・誘導

    細胞溶解により感染した大腸菌は死滅し、環境中に多数の新しいファージ粒子が放出されます。リシンギック状態では λ は休眠し続け、紫外線やストレスなどのシグナルが入るとリシックサイクルが誘導され、プロファージが切り離されて増殖し、宿主を殺します。

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