インフルエンザウイルスの寿命と体内でのライフサイクル
インフルエンザウイルスは個体差はあるものの、抗ウイルス薬を使用しない場合、ヒト体内で約12日間のライフサイクルをたどります。ウイルスが体内に侵入してから免疫系が排除するまでの過程を見てみましょう。
体内への侵入
インフルエンザウイルスは主に吸入によって体内に入り、感染者や感染動物との接触で広がります。ウイルス表面の小さなスパイク状突起が呼吸器上皮細胞の表面に結合し、細胞内へ取り込まれます。
複製
ウイルスが細胞に取り込まれると、内部のRNAが放出され核へと移動します。ウイルスは宿主細胞の転写・翻訳機構を乗っ取り、ウイルスRNAとメッセンジャーRNAを大量に合成します。これによりウイルス特有のタンパク質が作られ、最初にタンパク質の殻(カプシド)が形成され、次に脂質膜で包まれた新しいウイルス粒子が組み立てられます。
拡散
完成したウイルス粒子は細胞膜を突き破って放出され、数時間かけて細胞は死滅します。放出されたウイルスは近隣の細胞に感染し、感染の連鎖が続きます。
潜伏期間と症状
ケープタウン大学によると、インフルエンザの潜伏期間は1〜3日で、この間に感染力が高まります。ウイルスの増殖に伴い呼吸器症状が現れ、発熱、筋肉痛、極度の倦怠感なども起こります。免疫力が低下している乳幼児や高齢者では、肺炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。
ウイルスの死滅
標準的なインフルエンザウイルスは体内で長くは生存せず、複製のたびにRNA校正酵素が存在しないためエラーが蓄積し、感染能や細胞侵入能が失われます。最終的にウイルスは減少し、感染者は回復します。
しかし、鳥インフルエンザや豚インフルエンザなどの株は変異しやすく、より高い生存率と危険性を持ちます。
