T8対麻痺(T8レベルの対麻痺)とは?
概要
脊髄損傷(SCI)とは、脊髄に損傷が生じ、運動機能や感覚が失われる状態を指します。主な原因は交通事故や転倒、先天性疾患(脊髄披裂)や腫瘍などです。T8対麻痺は、胸椎第8椎(T8)レベルで脊髄が損傷した状態を指し、主に下半身の機能が失われます。
重要性
脊髄は椎骨(背骨)で保護されていますが、骨折が脊髄に波及すると機能障害が起こります。損傷部位が高いほど影響は大きく、T8は背中の中間付近に位置するため、腕や呼吸機能は保たれますが、脚の機能が失われます。
タイプ
脊髄損傷は「完全損傷」と「不完全損傷」の2種類に分かれます。完全損傷は損傷部位以下の感覚・運動が全く失われ、不完全損傷は一部機能が残ります。T8対麻痺は通常、完全損傷に該当します。
診断
胸椎は12個あり、T8はそのうちの8番目です。頸椎(C1〜C8)から胸椎、腰椎、仙椎へと続く脊髄は、損傷レベルが高いほど全身への影響が大きくなります。T1〜T8の損傷は「対麻痺」と呼ばれ、下肢の機能喪失と体幹のコントロール不全が特徴ですが、手の操作は比較的保たれます。
主な症状・特徴
下肢の麻痺・感覚障害に加えて、以下の合併症が頻繁に見られます。
- 膀胱・腸の機能障害
- 性機能障害
- 体温調節不全(過度の発汗や寒さに対する感受性低下)
- 低血圧や起立性低血圧
考慮すべき点
脊髄損傷は男性に多く、約78%が男性です。原因の約42%は自動車事故で、次いで転倒が続きます。スポーツによる損傷は減少傾向にあるものの、暴力が原因になるケースは増加しています。多くの損傷は予防可能であるため、以下の安全対策が重要です。
- 適切な場面でのヘルメット着用
- シートベルトの着用
- 飲酒運転の禁止
予測はできなくても、情報を持ち、日常生活でリスクを減らすことが大切です。
