義歯使用時のリスクと注意点
米国では65歳以上の人口の約3分の1が自然歯を失っており、約2000万人が義歯を使用しています。しかし、義歯に潜むさまざまなリスクについてはあまり知られていません。本稿では、主な危険要因とその対策を解説します。
義歯用クリームの危険性
2008年の『Neurotoxicology』誌に掲載された研究によると、亜鉛を含む一部の義歯用接着剤が過剰摂取されると、銅欠乏を引き起こし、神経障害や血液障害を招くことが判明しました。特に不適合な義歯を使用している患者が大量に塗布したケースが報告されています。主要メーカーは亜鉛を除去した新製品を発売しましたが、使用方法を守れば安全だと主張しています。
二次性口腔灼熱症候群
義歯やその複合素材が口腔粘膜や筋肉を刺激し、口の中の痛み、しびれ、味覚低下、灼熱感といった症状を引き起こすことがあります。これが二次性口腔灼熱症候群です。
不適合義歯の問題
合わない義歯は不快感や痛みの原因となります。顎の骨は時間とともに吸収されるため、数年ごとに再調整が必要です。放置すると骨吸収が進み、再調整が困難になるだけでなく、顔が沈み込んで見た目が老けて見えることがあります。
咀嚼力の低下
義歯使用者は最大で咀嚼力の90%を失うことがあります。食事は可能ですが時間がかかり、熱さや冷たさといった味覚刺激も弱まります。
義歯洗浄剤のリスク
米国食品医薬品局(FDA)は、義歯洗浄剤に含まれる過硫酸塩がアレルギー反応(歯肉の刺激から呼吸困難まで)を引き起こす可能性があると警告しています。また、容器に入れたままうがいしたり飲み込んだりすると症状が悪化します。
清潔保持の重要性
義歯は常に清潔に保ち、指示通りに使用すべきです。スコットランドの介護施設で、清掃不十分の義歯が真菌感染を引き起こし、歯茎に付着して外科的に除去する事例が報告されています。
