遠心分離で赤血球がチューブ底に沈む理由

遠心分離の基本原理

血液サンプルを高速で回転させる遠心分離は、遠心力(慣性力)を利用して成分を密度順に分離します。血漿や白血球に比べ、赤血球は質量が大きく密度が高いため、遠心力が最も強く働く位置、すなわちチューブの底部へと沈みます。

赤血球が底に集まるメカニズム

遠心分離中の遠心加速度は、回転半径と回転速度の二乗に比例します。この加速度が赤血球に作用し、重力よりもはるかに大きな「擬似重力」を作り出すため、赤血球は速やかに底部へ移動します。これを「沈降(sedimentation)」と呼びます。

沈降速度に影響を与える要因

沈降速度は以下の要因で変化します。

  • 赤血球のサイズ・形状・密度:大きく密度の高い赤血球は速く沈む。
  • 血漿の温度・粘度:温度が高く粘度が低いほど沈降が促進される。
  • 病態:貧血などで赤血球が小さく軽い場合、沈降が遅くなる。

実務での活用例

遠心分離は血液検査で広く利用され、血液型判定やヘモグロビン濃度測定など、赤血球と血漿を分離する必要がある検査に不可欠です。

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