高齢者の睡眠パターンと改善策
睡眠時間の長さ
高齢者は若年層に比べて睡眠時間が短くなる傾向があります。ハーバード医科大学のエリザベス・クレーマンらが2008年に実施した研究では、自由に眠れる時間を与えた結果、60歳以上の参加者は若年層より約90分少ない睡眠時間でした。高齢者が夜間に目が覚めやすいと訴えるのは、睡眠時間の必要量が減少しているためで、必ずしも睡眠障害が原因とは限りません。多くの高齢者は7〜8時間の睡眠で十分に回復できるとされています。
睡眠の質
高齢者は睡眠が浅く、途中で目が覚めやすい、または不眠を感じることが多いです。慢性的な疾患、精神的な問題、痛み、頻繁なトイレ利用などが原因となります。そのため、夜間の睡眠が不足した場合、昼間に短時間の昼寝を取る人も少なくありません。
睡眠障害
高齢者に特有の睡眠障害として、睡眠時無呼吸症候群が挙げられます。60歳以上の約25%が罹患しており、睡眠中の呼吸が止まることで睡眠の質が低下します。また、周期性四肢運動障害(PLMD)により、足や脚が頻繁に痙攣し、睡眠が妨げられることもあります。慢性的な疲労感や睡眠不足が続く場合は、睡眠クリニックでの診断を受けることをおすすめします。
生活上の配慮と改善策
睡眠時間が短く質が低下しがちな高齢者でも、生活習慣の見直しで改善が期待できます。カフェインは朝の1〜2杯に抑え、夕食は軽めにし、就寝前の過度な食事は避けましょう。毎日適度な運動を取り入れることで、夜間の熟睡が促進されます。これらの対策でも改善しない場合は、医師に相談してください。慢性疾患の治療薬が睡眠に影響を与えている可能性もあります。
