終末期における意思決定に関する研究
高齢化とがんなどの末期疾患、そして先進的な生命維持技術の発展に伴い、終末期の意思決定に関する研究が増加しています。
意思決定の種類
患者本人、家族、医療従事者が共同で、延命治療の拒否や、死期が近づいた際の居住場所(自宅、病院、ホスピス、介護施設)を選択することが求められます。
家族への感情的負担
オハイオ州のサマヘルスシステムが2009年に実施した研究では、ICUで亡くなった患者の家族23名にインタビューを行い、医療従事者が十分にコミュニケーションを取ることで、終末期意思決定に伴う感情的負担が軽減されることが分かりました。
宗教的信念
イェール大学医学部の研究(2008年)では、慢性疾患の末期にある高齢者226名を対象に、病気が精神的成長や神との関係強化につながったと感じる人は、延命のための医療リスクを受け入れる傾向が高いことが示されました。
ビデオを用いた意思決定支援
マサチューセッツ総合病院のアンジェロ・ヴォランデス医師率いるチーム(2009年)は、40歳以上の146名に対し、進行性認知症の場合の終末期ケアの希望を尋ねた後、実際の認知症患者の映像を視聴させました。映像視聴後、多くの参加者が希望を変更し、意思決定に対する自信が高まったことが報告されています。
文化横断的研究
ロバート・ブランク・ジャナ・メリック編『End‑of‑Life Decision Making: A Cross‑National Study』によれば、国によって意思決定プロセスは大きく異なります。宗教的要因を重視する国もあれば、個人の権利を重んじない文化圏では患者や家族の関与が限定的です。
