子癇前症の看護管理とは

子癇前症は妊娠特有の疾患で、高血圧と尿中タンパクが特徴です。母体と胎児の安全を守るため、看護管理は極めて重要です。

1. 監視と評価

血圧、脈拍、呼吸数、体温を定期的に測定し、浮腫、頭痛、視覚障害、腹痛などの症状をチェックします。毎日の体重測定で体液貯留も評価します。

2. 水分管理

脱水を防ぐために適切な水分摂取を促しつつ、過剰な摂取での水分過負荷は避けます。摂取量と排泄量を記録し、バランスを確認します。

3. 血圧コントロール

処方された降圧薬を正確に投与し、投与後は頻繁に血圧を測定して安全な範囲に保ちます。

4. 発作予防策

子癇前症は痙攣(子癇)を起こす可能性があるため、ベッドの側柵にクッションを置くなど安全対策を講じます。患者にリラックスの重要性を説明し、吸引器や酸素をベッドサイドに備えておきます。

5. 食事指導

塩分摂取を制限し、むくみと血圧上昇を抑えます。果物、野菜、全粒穀物を中心としたバランスの良い食事を推奨します。

6. 安静と体位

医師の指示に従い、十分な安静と過度な身体活動の制限を指導します。左側臥位を取ることで子宮・胎盤への血流が改善し、下大静脈への圧迫が軽減されます。

7. 心理的サポート

不安やストレスが高まるため、患者と家族に対して情緒的支援を行います。病態や治療方針、予後について説明し、疑問や不安を自由に話せる環境を整えます。

8. 胎児モニタリング

非応答性テスト(NST)や超音波検査などで胎児の状態を継続的に観察し、胎動の減少や心拍パターンの異常がないか確認します。

9. 多職種連携

産科医、新生児科医、薬剤師などと連携し、分娩誘発や薬剤投与、追加検査などの指示を的確に実施します。

10. 患者教育

子癇前症の概要、症状悪化時のサイン、治療計画の遵守の重要性を説明します。定期的な産前検診と、症状が出た際の速やかな受診を促します。

看護管理は多面的アプローチと迅速な対応が求められ、母子の安全な妊娠・分娩を支えます。

救急外来(ER) - 関連記事