アルコールをやめることがもたらす身体と精神への影響
北カロライナ大学(2004年11月)の調査によると、米国では1700万人が慢性アルコール依存症と診断されています。一方、ハーバード大学の栄養情報では、適度な飲酒は脳卒中リスクを低減するとされています。しかし、過度に飲んでいた人が禁酒すると、身体的・精神的にさまざまな改善が期待できます。禁酒は、アルコールによるダメージを部分的に回復させることも可能です。
脳細胞の増加
北カロライナ大学の報告によれば、禁酒期間中は飲酒期間に比べて脳細胞の生成が増加することが確認されています。
離脱症状
飲酒習慣がある人が急にやめると、身体的・精神的に様々な離脱症状が現れます。適度に飲む人は依存が少ないため症状を感じにくいですが、重度の飲酒者は震えや過覚醒、不眠、さらには激しい痙攣や幻覚といった重篤な症状が出ることがあります(Deborah A. Finn と John C. Crabbe の研究「Alcohol Withdrawal Syndrome」)。
耐性の低下
長期間の過度な飲酒はアルコール耐性を高めます。そのため大量に飲んでも酔いが感じにくくなります。しかし禁酒すると耐性は徐々に低下し、数か月後に少量のアルコールでも酔いを強く感じるようになります。
気分の改善
アルコールは中枢神経を抑制する抑うつ剤です。飲酒直後は一時的に気分が高揚しますが、根本的な精神疾患の解決にはなりません。禁酒することで抑うつ作用がなくなり、長期的に気分が安定しやすくなります。
肝機能の回復
肝臓は体内の解毒・代謝の要です。過度な飲酒は肝臓に大きな負担をかけ、肝硬変の主因となります(米国での肝硬変原因第1位)。禁酒すれば肝臓への負担が軽減し、機能が徐々に回復します。
肌の改善
アルコールは毛細血管を拡張させ、顔面に赤い斑点(通称「ジン・ブロッサム」)を生じさせます。また肝機能障害が皮膚トラブルを引き起こすこともありますが、禁酒により毛細血管は正常に戻り、肌の状態も改善されます。
禁酒は健康リスクの低減だけでなく、生活の質向上にもつながります。
