注射用滅菌水とは何か
注射用滅菌水(USP)は、細菌や溶質が一切含まれない無菌の蒸留水です。主に、点滴や筋肉注射に使用する薬剤の溶媒や希釈剤として利用されます。薬剤師が適切な溶質を加えて等張性に調整し、患者に投与します。
識別
無色・無臭の液体で化学式は H₂O。pH は 5.5(5.0〜7.0)を目標とし、バッファーや防腐剤は添加されていません。単回使用を前提とし、未使用分は破棄します。容器は 50〜2000 mL の瓶、バイアル、プラスチック容器があり、ガラス容器は真空ヘッドスペースです。
意義
静脈投与時の薬剤搬送体として、適切な浸透圧に調整された水分補給源を提供します。浸透圧は細胞内外の水の流れを決定し、等張状態が維持されます。
作用機序
細胞膜は半透膜として機能し、浸透圧差により水の移動が起こります。添加剤で等張性を確保しないと、赤血球は収縮(高張)または膨張(低張)します。等張(等浸透圧)溶液は血液と同等の浸透圧を持ちます。
適用例
注射用滅菌水は、薬剤の溶媒・希釈剤、点滴用の水分補給として使用します。必要に応じて洗浄剤としても利用できますが、部位に適した等張溶液が望ましいです。
注意事項・警告
静脈投与時は必ず等張性に調整し、訓練された薬剤師や技術者が作業します。デキストロース5%や生理食塩水5%と混同しないよう、保管場所を分けます。副作用として発熱、注射部位感染、血栓、静脈炎、漏出、過剰体液などが報告されています。
