電気骨鋸(ボーンソー)とは何か?
電気骨鋸は、医療・獣医学の手術や解剖、または肉の解体などで骨を切断するための電動工具です。手動の骨鋸に比べて高速かつ正確に切断でき、手術時間の短縮や切断面の向上に貢献します。
用途
- 整形外科や神経外科の手術(股関節・膝関節置換術、肩・上肢の手術、靭帯修復など)
- 死体解剖や法医学における胸腔・頭蓋骨の開口、骨標本の採取
- 食肉処理において、家畜の関節部や骨を分離する際の使用
特徴
- ステンレスやクロームメッキによる耐食性で、滅菌が可能
- 高性能ブレードは骨だけを切断し、肉に骨片が混入しにくい
- 骨粉コレクターや吸引装置を装着でき、手術部位への粉塵拡散を防止
- 高速回転ブレードは軟組織を損傷しにくく、切断時は切断防護手袋の着用が推奨される
種類
- 振動(オシレーション)方式、回転方式、往復(リシプロ)方式など、動作原理が異なるモデル
- 用途に応じたサイズやブレード形状(歯付き、斜面エッジ、ダイヤモンドチップ)
- 直線、角度付、可変ヘッドなど、取り付け角度を調整できるタイプ
- ブレード先端だけが振動する最新モデルは、視認性が向上し手術の安全性が高まる
重要性
- 電動骨鋸が登場する前は、手動でのレバーやチゼル、ハンマーを併用した粗い切断が主流で、手術は時間がかかり患者への負担も大きかった
- 1880年代に開発された電動骨鋸は、切断時間の短縮、切断面の滑らかさ、精度向上をもたらし、外科・解剖・生検の標準装備となった
- 本格的に普及したのは1920年代以降である
歴史
- 現在の電動骨鋸はしばしば「Stryker(ストライカー)鋸」と呼ばれ、ミシガン州カラマズー出身の整形外科医ホーマー・ストライカー博士の発明に由来する
- ストライカー博士は、石膏キャストを皮膚を傷つけずに切断できる工具を開発し、その延長線上で振動式電動骨鋸を実用化した
- 21世紀に入っても、Stryker社は外科用電動工具の主要メーカーとして世界中で使用されている
