産業心理学の歴史と発展

第一次世界大戦以前

産業心理学の父と呼ばれるのはヒューゴ・ムンスターベルクです。1913年に『心理学と産業効率』を出版し、人員配置や設備選定、従業員の仕事満足度といった課題を取り上げました。同時期にフレデリック・W・テイラーは『科学的管理の原理』(1911年)で、休憩時間を含む訓練と動機付けにより生産性を向上させる方法を提案しています。

第一次世界大戦から1940年まで

第一次大戦中、ロバート・ヤークスは米軍兵士向けの適性検査・選抜手法を開発しました。ウォルター・スコットは新兵の職種割り当てと業績評価のシステムを構築しています。1917年には『応用心理学ジャーナル』が創刊され、産業心理学の学術的基盤が整いました。

戦後の1924年、ハーバード大学の心理学者らがウェスタン・エレクトリック社のホーソーン工場で照明が労働者の効率に与える影響を調査しました。照明が増減すると効率が上がり、調査が終了すると再び低下したことから「ホーソーン効果」が命名されました。

第二次世界大戦

第二次大戦中は、装備設計や職務別の選抜・訓練、職務分類に関する研究が進められ、成果は陸軍航空隊心理学プログラムの研究報告書として公表されました。1946年、米国心理学会は産業・組織心理学者で構成する第14部門を設立し、後に Society for Industrial and Organizational Psychology(SIOP)へと発展しました。

1950年代から1970年代

カール・ロジャーズやエイブラハム・マズローによる人間動機付け理論が産業心理学の発展を後押ししました。1964年の公民権法により、人種・性別・宗教による職場差別が禁止され、職場環境の公平性が法的に保障されました。1971年、B.F.スキナーは『自由と尊厳を超えて』で、動機付け理論を応用した職場行動の修正方法を提示しました。

1980年代と1990年代

1980年に全米産業組織心理学大学院生会議が初開催され、1986年には『産業・組織心理学のフロンティア』第1巻が出版されました。1990年代は、米最高裁判所の性的嫌がらせ判例が職場の心理学と法学の結びつきを強調し、同時期に職場内暴力への関心が高まりました。

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