国民保健サービス(NHS)計画とは?
国民保健サービス(National Health Service、NHS)は、イギリスで1948年に創設された政府資金による公的医療制度です。すべての国民が無料で医療を受けられることを原則としていますが、制度の老朽化や財政逼迫により改革が求められました。政府は国民の意見を踏まえて大規模な医療改革を検討し、2000年7月に「国民保健サービス計画(NHSプラン)」を公表しました。
資金増額
2000年から2005年にかけて予算を33%増加させ、以下の拡充を目指しました。
- 病院ベッドを7,000床追加
- 新規病院を100施設建設
- 一次医療センター(ワンストップ)を500カ所設置
- 一般診療所を3,000箇所近代化
- 医師を2,000人、看護師を20,000人増員
- 医科大学を1,000校新設
制度改革
- 全国的な医療基準を導入し、厳格に管理
- 高パフォーマンスの施設には自治権を拡大、低パフォーマンスには政府介入
- 医師の契約を生産性とサービス品質に基づくものへ変更
- 看護師の業務範囲を拡大し、50%が処方権を取得
患者への利益
- 予防医療、がん・心臓病・メンタルヘルスのサービス向上
- 診療待ち時間の短縮(診察は48時間以内、外来は最大3か月)
- 高齢者向けサービスの充実(無料の老人ホーム提供)
格差是正
- 地域格差を縮小するため、低所得地域での一次医療を強化
- 喫煙停止支援サービスの導入
- 全ての女性と子どもへの検診プログラム実施
- 4〜6歳児向けに学校で無料の果物提供と栄養改善
進捗状況
計画は2000年に策定された以降、時代に合わせて改訂が行われています。資金投入により多くの項目で改善が見られましたが、当初の目標ほど迅速には進んでいません。例として、2010年までに新病院を100施設建設する計画でしたが、実際には69施設が現在建設中です。
