営利病院と非営利病院の比較ポイント
病院はすべて患者の治療を目的としますが、営利病院と非営利病院では運営方針が大きく異なります。以下では、5つの観点から両者を比較し、違いを分かりやすくまとめました。
比較のポイント
設立形態と目的
営利病院は株式会社として設立され、利益追求が目的です。一方、非営利病院は米国の501(c)(3)に相当する組織形態で、連邦・州の税金が免除されますが、事業年度末に余剰金を保有できず、すべての資金を医療サービスや設備、給与、寄付など、免税目的に直接使用しなければなりません。
診療費の設定
営利病院は投資家へのリターンを重視するため、手術や検査などの料金を高めに設定しがちです。にもかかわらず、従業員の給与は非営利病院とほぼ同水準であることが統計から分かっています。高価格で収益を上げつつ、給与は標準的に抑える構造です。
管理職の給与水準
営利病院は経営層への報酬が高く、資金の多くを管理職や関連団体に配分します。対照的に、非営利病院は給与を医師・看護師・技術職など全職種に均等に配分する傾向があります。
看護師の配置数
非営利病院は管理職への支出が少ない分、余剰資金で看護師を多く雇用でき、患者へのケアが充実します。一方、営利病院は高額な管理職給与のため、看護師数は比較的少なく、低賃金の看護技師を多く採用するケースが多いです。
死亡率の比較
カナダ・オンタリオ州のマクマスター大学のP.J. デヴェロー博士による米国の調査では、営利病院の死亡率が非営利病院より高いことが示されています。研究者は「効率化よりも品質が犠牲になり、患者は高額な費用を支払わざるを得ない」ことが要因と指摘しています。
以上のポイントを踏まえて、病院選びや医療政策の議論に活用してください。
