なぜ病院の患者は日和見感染のリスクが高いのか
日和見感染とは
日和見感染は、健康な人では問題になりにくい微生物が、免疫力が低下した人に感染することです。病院に入院している患者は様々な要因で免疫力が低下しやすく、感染リスクが高まります。
リスクが高くなる主な要因
1. 免疫力の低下
基礎疾患や治療(例:化学療法、ステロイド投与)により免疫機能が抑制され、日和見感染を引き起こす病原体に対して抵抗力が弱くなります。
2. 留置デバイスや医療処置
カテーテル、点滴ライン、人工呼吸器などの留置デバイスは微生物の侵入口となります。また、手術や処置で皮膚バリアが破壊されると感染リスクが上昇します。
3. 密接な環境
患者同士や医療スタッフ、来訪者が近距離で接するため、感染源にさらされやすくなります。
4. 広域スペクトラム抗生物質の使用
広範囲抗生物質は常在菌叢を乱し、日和見病原体が増殖しやすい環境を作ります。
5. 身体活動の制限
ベッド上での長時間安静や運動不足は、呼吸器や尿路からの微生物除去機能を低下させます。
6. 高頻度接触面
ドアノブ、ベッドレール、医療機器などの表面は多くの人が触れるため、病原体が付着・拡散しやすいです。
7. ストレス
入院や治療に伴う心理的・身体的ストレスは免疫機能をさらに抑制し、感染に対する感受性を高めます。
8. 多剤耐性菌への曝露
病院は多剤耐性菌(MDRO)の温床であり、これらの菌に感染すると治療が困難になります。
感染リスク低減のための対策
医療機関では以下のような感染管理策を実施しています。
- 手指衛生の徹底
- 個人防護具の適切な使用
- 抗生物質の適正使用(抗菌薬スチュワードシップ)
- 感染症患者の隔離
- 環境の定期的な清掃・消毒
