放射性タンクにおける水素対策

放射性廃棄物の蓄積は核エネルギーの最大の課題です。核反応の過程で水素ガスが生成され、規定圧力下で放射性貯蔵タンクに保管されます。水素は特に低炭素鋼で作られたタンクに腐食を引き起こし、放射性廃棄物漏洩のリスクを高めます。したがって、水素副産物の取り扱いには予防策が必要です。

水素の生成

核エネルギー発電時に生成された水素は、化学・容積制御システムタンクや空気排出装置から回収されます。また、放射性廃棄物の体積を減らすために添加されるキレート剤エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の分解でも水素が副産物として発生します。貯蔵された廃棄物から放出される放射線がEDTAを破壊し、フリーラジカルの水素原子が生成されます。

腐食プロセス

従来の放射性タンクは低炭素鋼で製造され、水素フリーラジカルによって鋼が脆くなります。放射線はフリーラジカルの生成を促進し、さらに水素が鋼内部に浸透して割れやすくします。γ線やβ粒子も同様に材料の透過性を高め、ひび割れを助長します。

懸念点

1944年以降、米エネルギー省は低炭素鋼製の単層地下タンクを165基設置しましたが、1993年までに75基が腐食割れを認め、放射性廃棄物を排出して漏洩防止策を実施しました。残りのタンクでも同様のリスクが残り、タンク内の水素が蓄積すると爆発の危険が高まり、放射性物質が環境中に放出される恐れがあります。

予防措置

1993年に米エネルギー省は水素濃度低減を目的に大型ポンプを導入しましたが、廃棄物を追加しなくても水素は再び蓄積されました。その後、水素リコンビナ―(水素再結合装置)を導入し、プラチナ触媒を用いて水素と酸素を反応させ水に変換します。反応温度は約430〜540℃(800〜1000°F)で行われます。

まとめ

水素による腐食と爆発リスクは放射性タンクの安全運用にとって重大です。適切な除去・再結合装置の導入と定期的なモニタリングが、放射性廃棄物の漏洩防止に不可欠です。

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