油流出がカモの生存率に与える影響

油流出は野生動物に深刻な影響を与え、即死や食料源の喪失、長期にわたる生理機能の障害を引き起こします。残留油が数年にわたり環境に残るため、種の個体数が回復しないケースも多く、特に海辺の水域で餌をとる海生カモは被害が顕著です。

カモの個体数とエクソン・バルデズ号事故

1989年、エクソン・バルデズ号がアルaska州プリンス・ウィリアム・サウンドで油流出を起こし、ハーレクインカモの個体数の約25%が即死したと報告されています(2010年10月号『Ecological Applications』)。その後、調査地域では生存率が6〜9年にわたり低下し、外部からの移入鳥が増えるまでに最大24年を要する可能性が示されました。この事故の影響は当初想定されたよりもはるかに長期間続くことが明らかになりました。

海生カモの生存率

油流出後、海生カモは獣医病院で治療され、油による直接的な傷や捕獲時の外傷から回復します。1999年12月のタンカー・エリカ号事故に関する研究(2001年9月号『The Canadian Veterinary Journal』)では、捕獲されたカモの65%が完全に治癒し、40%以上が野生へ戻されました。

餌場の喪失

2000年4月号『The Condor』の特集記事では、エクソン・バルデズ号事故が海鳥、特にハーレクインカモの餌場に与えた影響を分析しました。調査期間中、個体数は事故前の水準に回復せず、潜水して餌を取る種は油が環境に残存するため、長期にわたり影響を受け続けました。

遺伝的変化と繁殖

2000年5月号『Marine Pollution Bulletin』の研究では、油汚染地域に生息するハーレクインカモの肝臓で、性ホルモン合成に関与するステロイド生成酵素P450-1Aの活性が上昇していることが確認されました。この酵素の変化はホルモンバランスを乱し、繁殖能力を低下させるため、油流出がカモの回復を阻む要因となります。

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