汚染物質の生物蓄積とは

生物蓄積(バイオアキュムレーション)とは、化学物質が時間をかけて生物体内に蓄積していく現象です。汚染物質が水や土壌などの環境媒体から生物に取り込まれると、体内全体に分布し、捕食者がその生物を食べることで上位の生物へと移行します。この過程は環境・健康に深刻なリスクをもたらします。

農薬

農薬は作物を害虫や雑草から守るために広範囲に散布される化学物質ですが、毒性が高く、雨に流されて河川や海へ流入します。そこで藻類やプランクトンが農薬を摂取し、次第に小魚、大魚、そして人間へと食物連鎖を通じて濃縮されます。代表的な例として、かつて使用されていたDDTは雨によって水系に流れ込み、ワシやペリカンなどの捕食鳥の卵殻を薄くし、幼鳥の死亡率を高めました。

大気中排出物

工場の煙突や自動車から放出される大気汚染物質は、上空へ上昇した後、降雨により地表に戻ります。雨に含まれた汚染物質は水生生物に取り込まれ、食物連鎖を通じて広範囲に拡散します。

ポリ塩化ビフェニル(PCBs)

PCBsはコンデンサや変圧器、油圧液、接着剤などに使用されてきましたが、皮膚障害や肝機能障害、腫瘍、繁殖障害を引き起こします。水や土壌に漏れ出すと、ブルーフィッシュやストライプドバスなどの魚類がPCBsを蓄積し、人間が摂取すると健康被害の原因となります。

水銀

水銀は視覚・聴覚・言語障害や協調運動障害を引き起こす水銀中毒の原因となる有毒金属です。土壌や水系に流入した水銀はバクテリアやプランクトンに取り込まれ、食物連鎖を通じて高次捕食者へと蓄積します。

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