環境安全上の危険

環境安全上の危険は自然的要因と人為的要因に大別されますが、ここでは人間の活動が直接的に引き起こすリスクに焦点を当てます。重工業からは揮発性有機化合物や鉛などの有害物質が大気、土壌、河川へ放出され、また、天然ガスや原油といった資源の採掘も重大な環境リスクを伴います。

天然ガス

天然ガスは石炭に比べて環境負荷が低いと宣伝されることが多いですが、採掘から利用までの過程で多くの安全リスクが生じます。水圧破砕(フラッキング)では地下深くに水、塩分、さまざまな有害化学物質を注入し、地下水汚染の危険性があります。フラッキングで生じた廃水は高濃度の塩分や、ヒ素・ベンゼンなどの発癌性物質を含むことがあり、海洋や淡水生態系に深刻な影響を与えます。さらに、天然ガス火力発電所からは温室効果ガスであるメタンが排出され、地球温暖化を促進します。

原油

原油の採掘・輸送に伴う環境リスクも無視できません。代表的な事故として、2010年4月にメキシコ湾で起きた「ディープウォーターホライズン」油田プラットフォームの爆発があります。この事故により、1日あたり約210,000ガロン(約8万リットル)の原油が海に流出し、数か月にわたって環境汚染が続きました。海面に浮く油は光を遮り、光合成を行う植物プランクトンの光合成を阻害し、海洋食物網全体を飢餓状態に追い込みます。長期的には、海洋生物、漁業、ビーチ、湿地などへの被害が数十年にわたって続くと予測されています。

フロン(CFC)

クロロフルオロカーボン(CFC)は、1970年代に初めて環境安全上の問題が指摘されました。当時は家庭用エアロゾルなどに広く使用され、無害と考えられていましたが、後にオゾン層を破壊し、紫外線による人体・動植物への被害を増大させることが判明しました。

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