リサイクルの歴史とその変遷
古代におけるリサイクル
紀元前400年頃、古代ギリシャではリサイクルが行われていましたが、環境保護のためではなく、戦争や経済的困窮の際に資源不足を防ぐ目的で、武器や農具を再利用・再製作していました。
20世紀以前のイギリスとリサイクル
産業革命前のイギリスでは、不要になった青銅製品を溶かして新たな製品に作り直すリサイクルが一般的でした。また、レンガ造りにもリサイクルが活用され、煙突の煤や灰をモルタルの材料として利用することでコスト削減が図られました。この時代のリサイクルは、環境意識よりも経済的必要性が主な動機でした。
紙のリサイクル
紙のリサイクルは1691年にペンシルベニア州フィラデルフィアのリッテンハウス紙会社で始まりました。1895年にはニューヨーク市が衛生目的で紙やその他の廃棄物の回収を指示しました。第一次世界大戦後、資源不足から紙のリサイクルが本格化し、1921年に英国がリサイクルに関する規則を制定。ヨーロッパ各国も戦争や労働争議で生産が停滞したことを受け、同様の取り組みを始めました。
大恐慌と第二次世界大戦期のリサイクル
大恐慌の影響でアメリカ国内でも資源の再利用が必須となり、エネルギー節約や生活費削減のために古い材料の再利用が広がりました。第二次世界大戦中は、各国が国際貿易の制限と資源不足に直面し、戦時物資のリサイクルが不可欠となりました。資源が乏しい日本も、戦争継続のためにリサイクルに依存しました。
現代のリサイクル
1960年代後半から1970年代初頭にかけて、エネルギー価格の上昇と環境問題への関心が高まり、日常的なリサイクルが推進されました。米国ニュージャージー州ウッドベリーが全米で初めてリサイクル義務化法を制定し、以後多くの自治体が同様の制度を導入。現在、米国の主要都市ではプラスチック、金属、紙などを分別回収し、埋立地の過剰利用を防ぐ取り組みが標準となっています。
