ディーゼル排気がもたらす影響
職場での曝露
トラックや重機を使用する現場では、ディーゼル排気が深刻な健康リスクとなります。吸入すると頭痛や吐き気が起こり、長期的には呼吸器疾患やがんのリスクが高まります。特に鉱山労働者、鉄道作業員、港湾作業員、整備士、バス・トラックのメンテナンス担当者などが影響を受けやすいです。
動物実験における曝露
米国のヘルス・エフェクト・インスティテュート(HEI)とディーゼル・ワーキング・グループの報告によると、ラットにディーゼル排気を長期間曝露すると、肺に良性・悪性腫瘍が増加することが確認されています。一方、ハムスターでは同様の長期曝露でも腫瘍は認められませんでした。
動物実験の結果とその解釈
ディーゼル・ワーキング・グループは、ラットで見られた腫瘍が種特異的な反応である可能性を指摘し、これを人間の肺がんの直接的証拠とするには不十分と結論付けています。したがって、現在の証拠は間接的で決定的ではありません。
カリフォルニア州の対応
1998年、カリフォルニア州はディーゼル排気中の粒子状物質(PM)をがんや早死、呼吸器疾患の原因と認定しました。特に早産児や小児、高齢者の呼吸器が弱い人々がリスクが高いとされています。2005年だけで、約3,500人の死亡、数千人の入院、喘息発作などがディーゼル粒子によるものと推定されています。
予防・対策
過去30年でディーゼルエンジンの効率は向上し、排出ガスもクリーン化が進んでいますが、依然として主要な大気汚染源です。カリフォルニア大気資源局(CARB)は「ディーゼルリスク低減計画」を策定し、2000年比で排出粒子を75%削減する目標を2020年に設定しています。新技術の導入やフィルター装置の装着が効果的な対策とされています。
