放棄された浄化槽の長期的影響

窒素化合物の影響

有機物(主に人間の排泄物)が分解される過程で窒素を含む化合物が生成されます。これらの窒素化合物は水中に存在すると、免疫機能低下や生殖率低下、ホルモンバランスの乱れを引き起こすことが報告されています。2002年7月号『Journal of Environmental Quality』の研究では、フロリダ州の地下水における窒素濃度が調査され、浄化槽から流出する窒素が全体の約60%を占めることが明らかになりました。また、腸管ウイルスなどの糞便由来微生物も地下水や土壌中で検出されています。

温室効果ガスの放出

浄化槽内での有機物分解に伴い、メタン、二酸化炭素、一酸化窒素などの温室効果ガスが大気中に放出されます。2011年4月号『Environmental Science and Technology』の論文では、浄化槽からのガス排出量が試算され、現在使用されている多数の浄化槽が温室効果ガスの重要な発生源であることが示されました。

沿岸水域への汚染

ベルモント島では下水道が整備されておらず、住民は浄化槽に依存しています。2010年10月号『Environmental Monitoring and Assessment』の調査では、同島周辺の表層水でエンテロコッカス(腸内細菌)の濃度が測定され、30か所のサンプリング地点のうち8か所がEU水指令基準で「不十分」または「不良」と評価されました。調査期間中、クリークや湾の水サンプルの20〜30%がエンテロコッカス汚染陽性となっています。

地下水汚染

インド・プリー市のような農村部では浄化槽が人間の排泄物処理の主な手段となっています。2011年6月号『Environmental Monitoring and Assessment』の研究では、同市の地下水サンプルがインド標準局およびEPAの基準で評価され、浄化槽からの汚染物質が地下水品質を著しく低下させていることが確認されました。研究者は、さらなる地下水汚染防止のために定期的な点検と適切なメンテナンスを推奨しています。

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