剖検報告で使用される用語とその意味

剖検(ラテン語で「自ら見る」)は、死体解剖や死後検査とも呼ばれます。個人の医師が剖検を行うには遺族の同意が必要ですが、医療検査官(法医学者)は同意を求める必要はありません。医療検査官は政府任命の医師で、法医学の専門資格を有しています。

死後硬直(Rigor Mortis)

死後硬直は、死亡後に体が硬くなる現象です。筋肉内のATP(アデノシン三リン酸)が失われることで起こります。ATPは筋肉にエネルギーを供給する物質です。死後約2時間で硬直が現れ、筋肉の大きさにより進行速度が異なります。小さな筋肉ほど早く、大きな筋肉は遅く硬直します。硬直は死亡後約48時間で消失します。そのため、硬直の程度は死亡時間の推定に利用されます。

死後硬直の程度は死亡時間の推定に役立ちます。

死斑(Lividity)

死斑は、死亡後に血液が重力の影響で下半身にたまり、皮膚が紫色に変色する現象です。心臓が停止すると血液は沈降し始め、30分以内に死斑が現れ、最大で12時間続きます。この特徴は死亡時間の推定や、死後に遺体が移動されたかどうかの判断材料となります。

死斑は死亡後30分以内に出現します。

病理学(Pathology)

病理学は疾患の研究と性質を扱う分野です。剖検報告には、脳(神経病理)や心臓・血管系(心血管病理)などの顕微鏡検査が含まれることがあります。病理学部では、内臓に見られた異常や疾患による変化が記載され、疾患が死因か、死因に寄与したかが示されます。たとえば、肝不全で死亡したケースでも、剖検により肝硬変が原因であることが判明することがあります。

毒性学/血清学(Toxicology/Serology)

剖検報告には、検査対象となった毒物を一覧にした毒性学サマリーが含まれます。血液、尿、精液などの体液の血清学的検査結果は別項目で示されます。眼球液や胆汁などが検査対象になることもあります。報告書に特定の物質が記載されていない場合は、検査が行われなかったことを意味し、存在しなかったことを示すわけではありません。

法医学(Forensic)

法医学は科学と法律が交差する領域です。死亡が不自然または疑わしい場合は、医療剖検ではなく法医学的剖検が実施されます。医療剖検は疾患が死因と分かっているケースで行われ、医療記録や病歴に依拠します。一方、法医学的剖検は証拠収集のセクションを設け、犯罪性の有無や外部からの介入を検証します。慢性疾患や末期患者が実は他殺であった場合、医療剖検だけでは見逃す可能性がある証拠を法医学的剖検で発見できることがあります。

法医学的剖検は疑わしい死亡や不自然な死亡に対して行われます。

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