全身スキャンの安全性とプライバシー
目的
2001年9月11日の同時多発テロを受け、米国国土安全保障省はテロ対策としてTSA(運輸保安局)を設立し、航空機への乗客持ち込みを検査する体制を構築しました。現在、TSAは全身スキャナーを用いて、危険物や武器の持ち込みを検出しています。
タイプ
TSAが使用する全身スキャンは大きく分けて「バック散乱(Backscatter)X線」と「ミリ波(Millimeter Wave)」の2種類です。バック散乱はX線を使って乗客の三次元像を生成し、ミリ波は医療用スキャンと同様の電磁波で画像を作ります。どちらも白黒画像で表示されます。
安全性
ミリ波は電磁波であり、テレビやラジオと同様に人体への影響は極めて低いとされています。一方、バック散乱はX線を使用するため、放射線被曝が懸念されます。個々の乗客への影響はごく小さいものの、頻繁に旅行する人への累積効果は議論の対象です。TSAは全てのスキャンがFDA基準や国立標準技術研究所(NIST)の規格を満たす安全なものと主張しています。
プライバシー
全身スキャンは乗客の裸の三次元像を生成します。ミリ波画像は低解像度で粒子状ですが、バック散乱は高解像度の詳細画像を生成するため、プライバシーへの懸念が強くなります。TSAは画像が遠隔で閲覧され、保存や印刷ができない仕組みを導入し、従業員による不正利用を防止しています。
留意点
TSAは連邦ガイドラインに基づき、放射線リスクを携帯電話使用時のがんリスク程度に抑えています。また、遠隔閲覧や画像保存不可といった安全対策により、プライバシー保護が強化されています。
