亜鉛メッキ鋼の溶接と副作用
亜鉛メッキ鋼の溶接は金属加工業界で一般的です。多くの溶接工がキャリアのどこかでメッキ鋼を溶接し、亜鉛酸化物の過剰吸入による「金属煙熱(メタルフュームフィーバー)」を経験します。亜鉛酸化物は、メッキ層が熱せられて蒸発した際に生成されます。
亜鉛メッキ鋼とは
亜鉛メッキ鋼は、鉄板の表面に亜鉛をコーティングしたものです。熱浸漬処理により、亜鉛が基材と化学反応して耐食性の層が形成されます。外層は純亜鉛で、内側に向かって徐々に亜鉛と鉄の合金層へと変化します。
外層と基材の間には、亜鉛と鉄の比率が異なる亜鉛酸化物が含まれます。この亜鉛酸化物は、日焼け防止用の白い粉末と同じ化学式です。
溶接時に見られる亜鉛のサイン
溶接エリアからメッキを除去すれば亜鉛酸化物煙の吸入は減りますが、完全に除去できないことがあります。黄色がかった緑色の煙や、空中に漂う白い粉末、溶接部分に残る白い残渣は、亜鉛酸化物が存在する典型的なサインです。
大量の亜鉛酸化物煙に曝露すると、金属煙熱(メタルフュームフィーバー)を起こします。曝露量が多いほど症状は重くなります。
金属煙熱(メタルフュームフィーバー)の症状
症状はインフルエンザに似ています。亜鉛酸化物に触れた直後に軽い頭痛や吐き気が現れ、曝露が増えると全身の倦怠感や発熱、悪寒、震え、嘔吐、冷や汗が出ます。症状が出たらすぐに溶接を中止し、換気の良い場所へ移動してください。
極端なケースでは致死例も報告されています。症状が現れたら、さらなる曝露は避けることが最重要です。
金属煙熱はどのくらい続くか
金属煙熱は短時間で収まります。曝露後4時間以内に症状は緩和し、通常は24時間以内に完全に消失します。重度の過剰曝露では48時間程度続くこともあります。
牛乳に含まれるカルシウムは体内の亜鉛を排出するのを助け、回復を早めるとされています。
米国疾病予防管理センター(CDC)や労働安全衛生局(OSHA)の調査では、長期的な健康障害が確認されたケースは報告されていません。
過剰曝露を防ぐ対策
適切な換気、亜鉛酸化物煙への直接接触の回避、そして溶接前の徹底したメッキ除去が効果的です。経験豊富な溶接工は、溶接前後に牛乳を飲むと亜鉛中毒のリスクが下がると語ります。
頻繁に亜鉛メッキ鋼を溶接する方には、専用の新鮮空気供給型溶接フードの使用も推奨されます。
