針刺傷安全・予防法

米国では毎年数十万人の医療従事者が針やその他の鋭利な医療器具(総称して「シャープス」)による事故に遭っています。最悪の場合、感染症に罹患し、場合によっては死亡に至ります。

このような危険から医療従事者を守るため、連邦政府は「Needlestick Safety and Prevention Act(針刺傷安全・予防法)」を制定し、現在は施行されています。この法律は、血液媒介病原体への職業的曝露を減少させるために、雇用者が講じるべき具体的な措置を定めています。

歴史

  • 2000年11月に議会が針刺傷安全・予防法を可決。1991年の職業安全衛生法に基づく血液媒介病原体への曝露削減基準を改訂しました。

    議会は、米国の医療従事者のうち年間60万〜80万人が針やその他のシャープスによる偶発的な怪我を報告していると指摘しました。

    医療機関は2002年までに本法に適合する手順を整備することが求められました。

目的

  • HIV、B型・C型肝炎ウイルスなど、汚染された針から感染する致命的なウイルスや疾患があります。

    本法は、汚染された針やその他のシャープスによる偶発的な刺傷リスクを最小化するための措置を雇用者に義務付けます。

    血液や感染性物質に曝露する可能性のある従業員が1名でもいる事業所(病院、診療所、手術センター、医師の診療所、介護施設、在宅医療事業者など)が対象です。

規定

  • 雇用者は、針装置の安全性を評価し、使用する機器を「エンジニアリング・シェルブリッジ保護付き」や「無針システム」などの安全医療機器に置き換える必要があります。

    また、管理職ではない従業員から使用経験や安全性評価に関する意見を聴取し、実際に機器を使用する人々が安全手順の策定に関与できるようにします。

    従業員が10名以上いる職場は、針刺傷やその他のシャープス事故の記録を保持しなければなりません。記録には使用された器具と事故の状況を含め、被害者の個人情報は保護されます。

施行・罰則

  • 米国労働安全衛生局(OSHA)が本法の施行を担当し、現場検査を行います。違反者は1件につき最大7,000ドルの罰金が科され、故意または重大な違反の場合は最大70,000ドルに達します。

    本法への完全な適合は、Joint Commission(医療機関認証機関)の認証取得の前提条件となります。

留意点

  • 各州は連邦法で定められた最低基準を遵守しなければなりませんが、州独自でさらに厳しい規制を設けることが可能です。

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