1994年制定の健康安全法(HSWA)とは?
健康安全法(1994年制定)とは
Health and Safety at Work Act 1994(HSWA)は、英国における労働安全衛生の基本法です。雇用主は、従業員やその業務に影響を受けるすべての人の健康・安全・福祉を確保する義務を負います。また、HSWAは安全法の執行や事故・危険事象の調査手続きも定めています。
主な規定
一般的な注意義務:雇用主は、合理的に実施可能なすべての措置を講じて、従業員や関係者の健康・安全・福祉を守らなければなりません。
リスク評価義務:職場の健康・安全リスクを評価し、適切な管理策を講じることが求められます。
情報・指導・訓練の提供義務:安全に作業できるよう、必要な情報・指示・訓練を従業員に提供しなければなりません。
安全な作業場所の確保義務:従業員や関係者が安全に働ける作業環境を提供する必要があります。
事故・危険事象の報告義務:事故や危険事象が発生した場合、所轄の執行機関へ速やかに報告しなければなりません。
執行機関
HSWAは、英国の労働安全衛生を統括する国家機関「Health and Safety Executive(HSE)」によって執行されます。HSEは、是正通知・禁止通知・改善通知などの権限を持ち、法令違反に対して厳格に対応します。
効果と具体的事例
HSWA導入以降、労働者の致死事故は大幅に減少し、英国は世界でもトップクラスの安全記録を誇ります。以下は、HSEがHSWAを根拠に取り締まりを行った代表的な事例です。
1995年:高所からの墜落事故で従業員が死亡。安全装備と訓練が不十分だった企業をHSEが訴追。
2001年:機械の故障により従業員が負傷。リスク評価が不適切だった企業をHSEが訴追。
2007年:アスベスト暴露事故。リスク情報・指導・訓練が欠如していた企業をHSEが訴追。
これらは、HSWAが英国の職場安全を向上させる上で重要な役割を果たしていることを示す一例です。
