トリプルバイパス手術のリスクと合併症
トリプルバイパス手術は、他の外科手術と同様に一定のリスクがあります。リスクは手術全般に共通するものから、心臓バイパス手術特有のものまでさまざまです。高齢者や女性では合併症が起きやすく、既往症によってもリスクは変わります。
一般的なリスク
- 呼吸器合併症(呼吸困難、肺炎)
- 感染症
- 出血および血栓形成
これらは手術後の指示を守ることで大幅に低減できます。呼吸法は退院前に呼吸療法士が指導し、血栓予防のために抗凝固薬やTEDストッキングが処方されます。傷口の管理を適切に行うことも感染予防に重要です。
心筋梗塞・脳卒中のリスク
トリプルバイパス手術では、動脈や静脈を採取し、冠動脈の閉塞部位を迂回させます。手術中に血栓が剥がれ、心臓や血流を通じて脳へ流れると、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性があります。
胸骨創部感染
手術の際、胸骨を切開して心臓にアクセスするため、創部が大きくなります。そのため感染リスクが高く、感染が心臓や肺に波及する恐れがあります。ドレッシング交換や薬の服用を医師の指示通りに行うことが重要です。
心膜開放後症候群(Post‑pericardotomy syndrome)
開胸手術を受けた患者の約15%で発症し、手術後数日から数週間で現れます。ウイルス感染がきっかけになることが多く、低熱、倦怠感、呼吸困難、胸痛、筋肉痛などが症状です。数週間続くことがあり、安静とイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬で対処します。
不整脈(異常な心拍数)
心臓は電気信号で収縮を制御していますが、開心手術後に信号が乱れ、徐脈、頻脈、または不規則なリズムが起こることがあります。多くは一過性で症状が軽く、自然に改善することがほとんどです。
