親知らず抜歯後の合併症と対策
親知らずの抜歯は局所麻酔や鎮静剤により手術自体はほとんど痛みがありませんが、抜歯後の回復期間は痛みや合併症が生じやすいです。以下に主な合併症とその予防・対処法を紹介します。
乾性ソケット(ドライソケット)
抜歯後に血餅が十分に形成されず、骨が直接露出すると起こります。喫煙、うがい、ストローの使用などで口腔内圧が変わるとリスクが高まります。症状は抜歯後2〜5日で急激な痛みが増し、治癒には約2週間かかります。
副鼻腔の問題
上顎の親知らずは上顎洞に近い位置に根があるため、抜歯後に洞が開くと細菌が侵入しやすくなります。感染すると抗生物質で改善しないことがあり、ドレナージ手術が必要になることもあります。骨片が洞内に入った場合は生理食塩水で洗浄します。
感染症
口腔は細菌の温床です。軽いマウスウォッシュや塩水でのうがいを行い、抜歯部を清潔に保ちましょう。発熱(100°F以上)、48時間以降の出血再開、著しい腫脹、激しい痛み、持続的な不快な味などは感染のサインです。
神経損傷
下顎部には多くの神経が走行しているため、抜歯時に神経が圧迫・切断されると感覚異常が起こります。下唇、顎、舌のしびれやチクチク感が数日~数か月続くことがありますが、ほとんどは3か月以内に回復します。麻酔による一時的な感覚麻痺は数日で治まりますが、長期間続く場合は神経損傷の可能性があります。
骨壊死(死骨排除)
抜歯時に歯を囲む骨が割れることがあります。通常は自然に治癒しますが、細菌感染により血流が途絶えると壊死し、体は死骨を排除しようとします(sequestration)。痛みを伴うことがありますが、外科医が適切に処置すれば速やかに改善します。
