眼洗浄に使う生理食塩水:リスクと代替手段

はじめに

緊急時や救急処置で専用の眼洗浄液が手元にない場合、0.9%の生理食塩水(NS)を代用することがあります。しかし、NSは最適な選択肢ではなく、専用の眼洗浄液に比べていくつかの課題があります。

pHの問題

NSのpHは約7.4で、生理的範囲内です。眼の繊細な組織にとっては安全ですが、眼科医の中にはpH7.0前後のより中性に近い洗浄液を好む人もいます。中性に近いほど刺激が少なくなると考えられます。

浸透圧(トニシティ)の問題

NSは血液と同等の浸透圧を持ち、一般的には問題ありませんが、過度に高濃度や高張性になると角膜細胞の水分バランスが乱れ、損傷のリスクが高まります。そのため、眼用に調整されたバランスソルトソリューションや専用の眼洗浄液が推奨されます。

防腐剤の有無

NSは通常防腐剤を含まないため、アレルギーや感作を起こしにくい利点があります。一方で、防腐剤がないと細菌汚染に対する保護が弱く、特に新鮮に調製されていない場合は注意が必要です。

浸透圧(オスモラリティ)の適合性

NSは許容範囲内のオスモラリティですが、眼に最適なバランスを持つ専用洗浄液の方が、使用感が良く、角膜浮腫を抑え、保護効果が高いとする研究結果があります。

まとめ

緊急時に他に選択肢がない場合、NSで眼を洗浄することは可能です。しかし、最も安全で快適なのは滅菌された市販の眼洗浄液を使用するか、速やかに医療機関に相談することです。

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