治療適応の判断
大動脈弁狭窄や閉鎖不全により血液が心臓へ逆流する場合、心臓に過度の負荷がかかります。手術に耐えられる体力があるなら、弁置換が最も効果的な治療法です。
機械弁置換
耐久性を重視する場合は機械弁が選択されます。外科医は損傷した大動脈弁を取り除き、人工の機械弁を移植します。機械弁は一生涯にわたって機能し続けるため、再手術の必要がほとんどありません。
しかし、機械弁表面に血栓ができやすく、長期にわたりワルファリンなどの抗凝固薬を服用し続ける必要があります。その結果、脳卒中リスクはやや高まります。
生体弁置換
血栓リスクが低い生体弁は、豚や牛の組織(異種移植)または人の心臓提供者から得た弁で置換します。血流の圧力により耐用年数は限られ、40歳以上で手術した場合は約15年、若年者ではさらに短くなることがあります。
ロス法(Ross手術)
50歳以下の患者に適応されることがあるロス法では、患者自身の肺動脈弁を大動脈弁の代わりに移植し、肺動脈弁は別のドナー弁で置換します。時間とともに大動脈弁は成長し、長期的な解決策となりますが、約10%のケースで再び逆流が生じることがあります。
