心臓弁置換手術に関する一般的な質問
心臓には三尖弁、大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁の4つの弁があり、血液の流れを制御しています。これらの弁に障害が生じると、心臓の機能が低下し、重症化すると心臓障害や死亡につながります。薬物療法やステントなどで対処できない場合、弁の置換手術が選択肢となります。世界では毎年約22.5万件の心臓弁置換手術が行われています。
弁の種類
-
弁は主に3つのタイプに分かれます。
- ヒト由来弁(同種移植・同種移植弁):子供や妊娠中の女性に好まれ、抗凝固薬が不要です。ただし供給が限られます。
- 豚由来弁(組織弁):化学処理され、ステントが付く場合と付かない場合があります。外側にポリエステルメッシュの袖が縫い付けられ、移植しやすくなっています。
- 人工弁(機械弁):金属や炭素で作られ、長寿命です。血栓予防のため、術後は毎日抗凝固薬を服用し、血液検査で薬剤濃度を管理する必要があります。
手術の流れ
-
手術は通常3〜5時間かかります。全身麻酔下で行われ、心肺バイパス装置が血液循環を代替します。
胸骨の中央と大動脈付近に2か所切開し、手術後は胸骨をワイヤーで固定します。
術後は集中治療室(ICU)で経過観察し、安定すれば一般病室へ移ります。切開部の痛みや呼吸リハビリが必要ですが、数日以内に座位や軽い歩行が可能です。
術後の注意点
-
抗凝固薬や抗生物質の服用が必要な場合があります。歯科治療前後は感染予防のために抗生物質を使用することがあります。
金属探知機に引っかかることは少ないですが、医師から患者IDカードや医療用アラームブレスレットを受け取ると安心です。
MRI検査を受ける際は、弁置換手術の有無を必ず伝えてください。術後、胸部で軽いクリック音が聞こえることがありますが、正常です。
人工弁は一生涯使用できる設計ですが、組織弁は耐用年数が短く、弁の機能低下(めまい、息切れ、倦怠感、むくみ、胸痛など)の症状が現れたら速やかに医師へ相談してください。
リスク
-
ほとんどの手術は合併症なく終了しますが、出血、感染、心筋梗塞、脳卒中などのリスクがあります。手術前に不安点を医師に相談しましょう。
生活上の留意点
-
心臓に優しい食事を続けることが重要です。詳しい情報は「リソース」リンクをご参照ください。
定期的な診察と検査を欠かさず、異常を感じたらすぐに受診してください。
緊急時の対応
-
胸痛や息切れなど心筋梗塞の疑いがある症状が急に出た場合は、すぐに119番へ連絡してください。
