自発的冠動脈解離(SCAD)とは?
概要
自発的冠動脈解離(Spontaneous Coronary Artery Dissection、略称SCAD)は、冠動脈の壁が自然に裂けることで起こる比較的稀な疾患です。心筋へ酸素を供給する血管が損傷すると、胸痛や呼吸困難、吐き気、めまい、場合によっては心筋梗塞を引き起こします。
主な原因とリスク要因
SCADの正確なメカニズムは完全には解明されていませんが、以下の要因が関与すると考えられています。
- 冠動脈壁の構造的弱化や損傷
- 血流の異常
- 血管の炎症
- 妊娠・閉経期などのホルモン変動
- 結合組織疾患(例:線維筋様異形成、全身性エリテマトーデス)
- マルファン症候群やロイス・ディエッツ症候群などの遺伝性疾患
症状
主な症状は以下の通りです。
- 胸部の圧迫感や鋭い痛み
- 息切れや呼吸困難
- 吐き気・嘔吐
- めまい、失神
- 心筋梗塞様の症状(場合によっては心電図異常)
診断方法
SCADは複数の検査で評価されます。
- 心電図(ECG)
- 心エコー(超音波検査)
- 冠動脈造影(CTや従来の造影)
- 血管内超音波(IVUS)
- 光干渉断層計(OCT)
治療と生活指導
治療は症状の重症度と血管の状態に応じて選択されます。
- 鎮痛薬、抗血小板薬、抗凝固薬、硝酸薬などの薬物療法
- 血管の破損が大きい場合はステント留置や外科的修復が必要になることもあります
- 禁煙、バランスの取れた食事、適度な運動などの生活習慣改善が回復を支援します
予後
早期に診断し適切に治療すれば、ほとんどの患者は完全回復が期待できます。症状が疑われたら、すぐに医療機関を受診してください。
