超音波血流解析におけるズームFFT実装の詳細
フェーズドアレイプローブ
フェーズドアレイプローブは、個別に制御可能な複数の圧電素子で構成され、超音波ビームを電子的に向きや焦点を調整できます。
ビームステアリングとフォーカシング
ズームFFTでは、フェーズドアレイのビームステアリングとフォーカシングパラメータを動的に変更し、関心領域に超音波ビームを絞り込みます。
これにより、血管内の特定位置からドップラ信号を取得できます。
マルチゲート取得
超音波装置はマルチゲート取得を用いて、ビームの深さ方向に複数のゲートからドップラ信号を同時に取得します。
各ゲートは特定の深度範囲に対応し、取得した信号は個別に解析されます。
FFT 計算
各ゲートのドップラ信号は一定長に区切られ、各区間に対して高速フーリエ変換(FFT)を実施します。
FFT により時間領域のドップラ信号が周波数領域に変換され、信号に含まれる周波数成分が得られます。
速度推定
FFT スペクトルから平均血流速度と速度分布を抽出します。
平均速度はサンプルボリューム内の散乱体の平均速度、速度分布はその内部での速度変動を示します。
表示と解析
抽出した速度情報はカラー画像やスペクトログラムとして表示されます。
これらは速度の空間分布を視覚化し、血流パターンの評価や、流量、脈波指数、抵抗指数といったパラメータの定量化に利用できます。
ズームFFT を導入することで、血管内の特定領域における血流ダイナミクスを高解像度で局所的に評価でき、循環系疾患の診断や経過観察に有用な情報が得られます。
