臼と杵の種類と使い方

種類

臼と杵は用途や産地、素材、デザインの好みによってさまざまな形があります。マレーシア産は杵が大きめで、薬剤師用の臼は持ち手が付いた砂時計型が一般的です。使い勝手の良さから、電動や機械式の自動臼も開発されています。

サイズ

家庭用の臼はスープボウル程度の大きさが多く、杵は底が太く片手で握れます。唐辛子やハーブの細かい粉砕に適しています。農業用の大型臼はバケツサイズで、杵は2〜4フィート(約60〜120cm)あり、米や肉を大量に叩く際に使われます。

素材

臼と杵は、研削に十分な重さと耐久性が求められます。理想は滑らかで非多孔質な素材で、食材が付着してカビや汚染になるのを防げます。未焼成の粘土や割れやすい木材は不向きです。

素材選びは加工するものにも左右されます。酸性食品や特定の化学薬品は金属や木材と反応することがあります。鋳鉄製は使用前に「シーズニング」し、油を塗って保護します。

代表的な素材は大理石や花崗岩などの石、チーク・竹・オークなどの木材、鉄・鋼・真鍮などの金属、玄武岩、焼き締め陶器や磁器です。液体用にガラスを使うこともありますが、粉砕には危険です。日本の伝統的な臼(すり鉢)と杵(すりこぎ)は磁器製のすり鉢に木製の柄が付いた形が一般的です。

機能

主な機能は素材を細かく粉砕し、香りや油分、汁を引き出すことです。スパイスの粉末化やミントの葉のすり潰しに利用され、料理やアロマテラピー、薬効の向上に役立ちます。

また、複数の素材を混合して新たな風味を作り出すこともできます。インドのチャイはカルダモンや胡椒、クローブ、ジンジャー、シナモンを臼で砕いて作ります。メキシコのガカモレも臼でつぶすのが伝統です。

さらに、化学的・錬金術的な用途として、物質を細かくし別の物質と結合させることで新しい化合物や染料・絵具を作ることがあります。違法薬物の製造にも悪用されるケースがあります。

薬局での利用

臼と杵は古くから薬局や薬学と深く結びついてきました。薬草や天然治療薬の調合、チンキ、湯、軟膏、吸入剤の作成に欠かせません。薬局のロゴに黒い臼と杵に「Rx」のマークが使われるのはこの歴史的背景からです。

イギリスの陶磁器メーカー、ジョサイア・ウェッジウッドはコーンウォール産の粘土で理想的な臼を作り、薬局や化学者に販売しました。ウェッジウッド以前から、男女問わず治療師が臼と杵で「治癒剤」やチンキ、湿布、外用ペースト、吸入剤を調合していました。

アポセカリー(薬舗) - 関連記事