コロイドシルバーとライム病:事実とリスク
シカダニ(シカのマダニ)から人へと細菌が移行し、神経系にまで影響を及ぼし、最悪の場合は麻痺を引き起こすこともあるライム病。コロイドシルバーは「自然」かつ効果的な治療法として宣伝されていますが、研究結果はその有効性を示していません。
ライム病の概要
ボレリア・バルグドルフェリという細菌がシカダニから人に移ります。シカダニは低木や長草に生息し、主にシカに寄生しますが、噛まれると皮膚に「ブルズアイ」様の紅斑が現れ、発熱、寒気、首の痛み、倦怠感、筋肉痛などの症状が出ます。細菌が移るには、ダニが皮膚に36時間以上付着している必要があります。野外での散策後は、セサミシード大の茶色いダニが付いていないか必ず確認しましょう。
罹患しやすい人は?
免疫力が低い人だけでなく、シカがいる草むらに時間を過ごすすべての人がリスクがあります。春・夏に新しいダニが活動しやすく、凍結した環境では活動しません。
コロイドシルバーとライム病
コロイドシルバーは銀粒子を水に分散させた溶液です。銀イオンが細菌の酵素を阻害し、細胞膜を破壊して増殖を抑えると主張されていますが、ライム病の原因菌に対しても同様の効果があるとされています。
効果はあるのか
2004年に『Journal of Wound Care』が実施した研究では、市販のコロイドシルバーは微生物や細菌を有意に殺菌する効果が認められませんでした。濃度の異なる製品を用いても、菌の増殖抑制は確認されていません。
副作用・リスク
過剰な銀摂取は皮膚が青灰色になるアーギリャ症を引き起こします。発症には年間1〜5グラムの銀、あるいは50マイクログラム程度のコロイドシルバーを多数回摂取する必要があります。
